相続が発生した場合
被相続人が亡くなって相続が発生したら
まずは遺言書の有無を確認しましょう
相続発生後の手続きとして、まずは7日以内に死亡届の提出を行います。
その後、遺言書の有無を確認します。遺言書には法的効力が認められていて、遺産分割の方法や相続人ごとの財産の配分に影響しますので、最初に確認しておく必要があります。
遺言書がないと思って手続きを進めて、後からそれが見つかると遺産分割を最初からやり直さなくてはいけなくなることもありますので、必ず確認するようにしましょう。
3ヶ月以内に相続人の確定、財産の調査・評価を行います
遺言書の確認と並行して、被相続人の戸籍簿謄本を取り寄せて相続人を確認し、相続財産の調査・評価を行って全容を把握しておく必要があります。
仮に遺言書があっても、そこに記載されている内容が正しいとは限らないので、その真偽を確認する意味でもこうした調査は必ず行わなければいけません。
相続放棄・限定承認の判断も3ヶ月以内に行います
遺産相続には、すべての財産を受け取る「単純承認」以外にも、「相続放棄」や「限定承認」などの方法があります。
これは相続財産のうち、プラスの財産よりもマイナスの財産が上回っている場合、相続することで経済的にマイナスになることを防ぐための選択肢です。
ただし、単純容認するか、相続放棄・限定承認するかの判断は3ヶ月以内に下さなくてはいけません。
単純承認
プラス・マイナスの財産をすべて受け取る方法です。
3ヶ月以内に相続放棄・限定承認しなかった場合、単純承認となります。
相続放棄
プラス・マイナスの財産をすべて放棄する方法です。
マイナスの財産が極端に多い場合などに選択されます。
限定承認
受け取ったプラスの財産を限度額として、マイナスの財産も受け取る方法です。
財産全体は-でも、相続したいプラスの財産がある場合などに選択されます。
10ヶ月以内に相続税の申告・納付を行います
3ヶ月以内に相続方法(単純承認、相続放棄、限定承認)を選択したら、10ヶ月以内に相続税の申告・納付を行います。
ただし、その前に被相続人の所得税の確定申告(準確定申告)を行わなければいけません。
本来は1月1日から12月31日までの1年間の所得を計算しますが、準確定申告では1月1日から亡くなった日までの所得税を計算し、4ヶ月以内に確定申告します。
相続発生から申告・納付までのおおまかな流れ
3ヶ月以内
- 遺言書の有無の確認
- 相続人の確定
- 相続財産の調査・評価
- 相続方法(単純承認、相続放棄、限定承認)の決定
4ヶ月以内
- 被相続人の所得税の確定申告(準確定申告)
6~8ヶ月以内
- 相続財産の性格な評価算出
- 遺産分割協議書の作成
- 遺産分割手続き
10ヶ月以内
- 相続税の申告・納付
税理士からのワンポイント・アドバイス
相続発生後のスケジュールは意外と短いです
被相続人が亡くなって相続が開始したら、それを知った翌日(通常、非相続人が亡くなった翌日から起算)から10ヶ月以内に相続税の申告・納付を行わなければいけません。
この間、通夜、葬儀、告別式といった葬儀・法要以外にも、「7日以内に死亡届を提出」「遺言書の有無の確認」「相続人の確定」「財産の調査・評価」「相続放棄・限定承認の判断」など、行わなければいけない手続きはたくさんあるため、「相続発生後のスケジュールは意外と短い」と言えます。
なので、相続発生から相続税の申告・納付までのスケジュールをきちんと把握して、1つ1つ適切に行うことが大切です。
こうして円滑に遺産相続を進めるうえで、税理士の経験・知識はとても役立ちます。
大阪市の西川一博税理士事務所では何を、いつまでも、どのように行わなければいけないのか、1つ1つの手続きをしっかりサポートいたします。